近代資本主義経済は分業と私有財産制とを
基礎とする結果、無数の個別経済(経済主体、単位経済)に分裂している。
したがって近代経済は、この分裂した無数の個別経済をもって構成される一つの総合経済であるといえる。
経済主体には生産の主体と消費の主体とがあり、相互に依存しあい、結び付いて、流通経済、市場経済を形成する。
そしてそこに貨幣が介在する。このように近代経済における貨幣は、財貨=商品とともに各個別経済を結び付ける連鎖であるが、この場合の貨幣には、媒介的存在のものと目的的存在のものとがある。
前者は商品を購入した対価として支払われる貨幣の流れで、貨幣は購買手段あるいは流通手段として機能する。
後者では貨幣だけが一方的に流れ、より多くの貨幣となって(利子を付して)ふたたび還流してくることが期待されている。
ここでは貨幣それ自体があたかも商品のごとく、需要供給、すなわち取引の対象となっているのである。